【夜明けの はずれ】
制作者:ふじわらかつひと
夜明けの はずれ

「セミは1週間の命」と短命のたとえによく引用されるが、「1週間」というのは成虫となって地上に出てからの話であって、寿命自体はもっと長い。 幼虫時代は何年も土の中で過ごすのだ。

13年セミ、17年セミといわれるものは、それぞれの期間、幼虫として土の中で過ごしその周期で成虫となって大発生するらしい。
短命を哀れむより、「地上に出られて、自由に飛び回れてよかったね」と思うべきではないだろうか、モグラやミミズと比べると…。

子供の頃、夜中に森へ行って幼虫が羽化する姿をわくわくしながら見たことがある。 ものすごくゆっくりな為に、テレビではよく早回しで再生される光景だ。ゆっくりだからこそ、ドキドキと期待感が余計に高まってくる。ゆっくりと木を登り、ここぞというポジションでゆっくり背中が割れていく。そしてそこから現れるのは「はずれ」の文字。
「しまったぁぁ!」

ああ はずれたのか、17年前に引いたくじは。今度こそ!

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