【96年限定モデル】
制作者:籠谷シェーン
96年限定モデル

「限定品」とか「限定モデル」とか言われても最近は
そんなに胸がときめいたりすることが無くなりました。
決して物欲が無くなったわけでもないのですが、この歳になると
「マーケティング戦略に踊らされてたまるか」とか、「日本人は
限定品とかに弱いのう」とか、ひねくれた気持ちが先に出てしまうのです。
では若い頃はどうだったかというと、限定とかレアものとか希少価値 という言葉には
ビンビンに反応してました。
そういう物は買っておくと何年後に価値が上がるとか本気で信じていたのです。

実家にいくつか限定コインとか金貨とかがあったのですが
よくよく考えると、仮に多少価値が上がったとしても、
実際買取値 ではマイナスになりそうだし、それよりもそんなものを本気で
欲しがる人が増えるようなブームなど来る気もしないのです。
そんな風に限定品とか一点モノに対してドライな気分でいるので
自分の作品も欲しがる人がいればよほど面倒でなければ
何度でも作りますし、そういうこと対し後ろめたいという感情は
ほとんど起こらないのです。こんなこと言ってるから、
作品の 単価も上がらんのかもしれませんね。

で、今月の駄美術「96年限定モデル」。ちょうど15年前、ナイキから
エアマックス95というモデルのスニーカーが出ていて、爆発的に
売れ、プレ値で取引きされるほどで、履いてる人を脅してスニーカーを
奪い転売するという「エアマックス狩り」などという物騒な事件もありました。
この作品はそんな社会現象があった次の年、作品発表しても全然日の目を見ない
僕たちでしたが、作品もエアマックスみたいに今年の限定モデル!
みたいな煽りを加えたらもしかして売れたりして…などと下心丸出しで作りました。
エアとか言うので、空気を送る扇子にナイキマークをあしらった
日本人の好きな限定品、日本人の好きな和風デザインイメージのシンプルな作品です。
毎度のことですが、売れるはずもなく、現在家のどこにあるか不明の
まさしく空気のような作品です。


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