【丑の刻love参り】
制作者:籠谷シェーン
現代美術二等兵:丑の刻love参り

この歳になると、家族以外にバレンタインデーのチョコをもらう機会も
なくなりましたね。会社での義理チョコも、数年前から慣習が
風化し(いや、俺の知らんとこではやり取りしてるのか知らんが)
、 倍返しとかの理不尽な制度にモヤモヤした気分になることからも開放されて、
今では特に感慨のあるイベントではなくなった気がします。
しかし、気にはならなくなったとは言え、毎年ぼんやりと思い出すのが
35年も前のエピソード。。。

当時4年生だった僕は2月14日がバレンタインデーだということも
何も意識せず、いつものように友達と二人で下校しつつ、いつものように
公園に寄り道しだらだらと遊んでいました。
ふと、気付くとクラスの女の子2人がつつっと近寄って来て、いきなり
友達に封筒みたいなものをそれぞれ手渡したのです。
ええ、僕ではなく友達に二人がそれぞれ。女の子2人はあまり話さず
さっさと帰って、友達は2個の封筒を空けてみたら、中から不二家の
ハートチョコレートが!どっちにも同じチョコが。手紙も入ってたな。
そいつは「何これー。」と迷惑そうな、にやけたような表情をしました。
僕は僕で「ははっ、何のつもりやねんやろな。」等とこの状況について
深く話をしたくなかったのか、さっさと話題を切り上げるようなリアクション を
していました。友達と別れて家に帰るまで、なんともどんよりとした 気分で、
心の中で負けを認めたくないような言い訳をネチネチしていたと 思います。
しかし僕は家に着いて、自分の財布から100円を取りだし、
近所の菓子屋へ向かいました。そして不二家のハートチョコレートを買いました。
そう、思いっきり敗者のそれです。食べてみたら意外とうまい。
ピーナッツがいいアクセント!「うまいやんか、チクショー!」
そんな心のヒダがひとつ増えた10歳の2月14日でした。

で、今月の駄美術「丑の刻love参り」。恨みを晴らす行為ではなく、恋愛成就 の
ための丑の刻参りを想定してみました。五寸釘ではなく、天使の矢で
ふわふわ藁人形を射抜くわけです。という訳で、今年のバレンタインデー、
皆様の恋が報われますように。と、心にも無いことを書いてしまいました。


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