びちぽあ

びち

第2回「命名 びち」

その後も何度か会って、家に入れてやった。
僕よりも付き合ってた彼女の方が猫好きだったので、 ぜひ見せてあげようと、抱きかかえて駐車場に向かった。 車で10分ほど離れたマンションに住んでいたのだ。
車に乗せても嫌がらず、車内を探索していた。
部屋に着いて見せたところ、彼女はたいそう驚いて喜んでいた。
猫はあいかわらずおとなしく、しばらくきょろきょろと部屋の中を探索していた。 が、ベランダへの窓の前でにゃあにゃあとわめき始めた。 なにが起こったのかわからず、おろおろしていると、しばらく叫んだあと 「びびびびび」とうんちをしてしまった。ものすごい下痢だ。
部屋でしちゃまずいとベランダへ出たがっていたのかなと思った。

最初はときどきだった遭遇も日増しに頻度が増えた。
車で彼女の家に連れて行くことも増え、また下痢うんちをしてしまうことがあった。 「こいつが『太陽にほえろ』の刑事なら、愛称は『びちびち刑事』やな。」と話した。 その瞬間『びち』という不名誉な名前になったのだった。

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