びちぽあ

びち

第5回 「川の字」

2Kの小さいマンションだったが、しばらくの間、彼女も一緒に住むことになった。
びちも喜んでいたようだ。狭い布団の上でよく川の字になって寝た。びちが真ん中だ。
びちは寝るとき、枕が必要なようだった。人の枕を使ったり、人を枕にしたり・・・。
一度、みんなで寝ているとき、びちが寝ぼけて彼女の頭にかじりついていた。 あんなに大きく口を開けたのは見たこと無かった。彼女はかなり痛かったらしい。

時間に正確なびちは目覚ましにもなってくれた。寝過ごしたりすると顔を引っかいて起こしてくれる。 唇や鼻の穴など微妙なところを狙って爪を立ててくる。ときどき、 お腹が空いたときにも起こされるのでやっかいだった。

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