月刊駄美術図鑑 2024

「どこでもローソン」

大阪での個展は無事終了しました。ありがとうございました。
無事は無事なんですが、スタート時はバタバタしてました。
そう台風直撃です。あののろのろ台風が。

金曜に搬入に行って日帰りで東京に戻るつもりだったんですが、
搬入終わって新大阪に行ったら新幹線が夕方から動いてない。
まだ台風はぜんぜん遠くにいるのに、静岡あたりが大雨で
運転見合わせだと。
帰京はあきらめて堺の実家へ。
日が明けても計画運休でまだ動かない。
ネットを見てたら大阪から在来線で福井県の敦賀にあがって、
北陸新幹線で東京へ帰るルートがあると教えてくれてる方が。
まだ台風は接近している状態で、今後も東海道新幹線は状況が読めないので
「これやー!」と北陸新幹線ルートを近くのJTBで予約。
ギャラリーが開くのが午後なので、大阪自然史博物館の「ネコ展」に寄って、
のんきにかすうどんを食べたりしていたら、ギャラリーオープンに
遅刻しました。なんかすいません。

で夕方、大阪駅からサンダーバードに乗って敦賀へ。
せっかくなら北陸でおいしい駅弁を食べたいなと何も買わずに
乗ってしまったのが失敗でした。
サンダーバードの座席のところに敦賀の乗り換え説明のyoutubeの
QRコードが書いてあったり、やたら乗り換えに注意すべしみたいな
感じを醸し出していたが、敦賀駅に着いたら特急と新幹線しかないから
めちゃシンプル。そうしか行きようがないという乗り換え。

ほいほいと新幹線改札を通ったら、売店がなにもない。
飲料の自販機もひとつだけ。
あれ?と振り返ると新幹線改札の向こうにコンビニが。
駅員さんに事情を言っていったん改札を出てコンビニに行ったら
長蛇の列のうえにほぼ食べ物が残ってない。
うわ~ 大阪駅にあんないっぱいあったのに!しまった!
そりゃ~東海道新幹線とは本数も乗客数も違うから店舗の規模も違うよね。
しかもイレギュラーな台風の影響で大混雑。うげげげ。
コンビニをあきらめて自販機を確認したら、もうレッドブルしか
残ってない。レッドブル買ったらそれも売り切れに。最後の1本でした。
レッドブルをちびちびやりながら、腹ペコ状態でなんとか
帰り着きました。

まあたまにはイレギュラーな旅もおもしろいね。

さて今月の作品は「どこでもローソン」。
訪日観光客の間でローソンと後ろにそびえる富士山を写真に納めるのが
なぜか流行って、人が集まりすぎて大問題に。
で、写真が撮れないように目かくしの幕を張るという事態にまで発展して
話題になっていたので、そんなにローソンが撮りたいんやったら
ミニチュアを持ち歩いてどこででも富士山と撮ればいいじゃん!と
鉄道模型のキットを改造して持ち運べるローソンを作りました。
台風の接近にともなって幕も撤去されたようですね。
台風おそるべし。

この作品も今回の展覧会に展示していましたが、
富士山がなかったためか、あまり写真を撮っている方は
いませんでした。



「はにわルッキズム」

作品を作っていて、興味のある部分や好きな部分から先に仕上げていってしまい、
そうでない部分は気が抜けて適当にやり過ごして全体のバランスが悪くなってしまう
事がよくあります。これは自分の性格のせいかもしれませんが、子供の頃から漫画を
描いても、主役とロボットはめちゃくちゃ描き込んでヒロインは上手く描けないので
凄く出鱈目だったり、しまいには顔だけ描き込んで体はアウトラインだけとかで済ます
ような事を繰り返していました。
大人になって作品を作る時も気になる場所のディテールだけゴリゴリ仕上げて
全体のバランスを大幅にミスってたのを後から気づいて全部やり直しとかが
たまにあって愕然とします。
ご飯のおかずはどちらかと言うと好きなものは最後に残しておく派なのですが...。

さて今月の駄美術は「はにわルッキズム」。おおらかな造形が魅力の「はにわ」ですが、
太古の人々もきっとリアルに描く、作るための技術を習得していればイケメンな
「はにわ」を作りたかったに違いないのでは?顔ばっかり凝って面倒な手足は
適当に仕上げたに違いないはず!というのがコンセプトです。
僕はきっとこんな太古のDNAを引き継いでいるからバランスの悪い
造形をするのだ!と大昔の人のせいにしたくなりました。
この作品は開催中の現代美術二等兵の駄美術展「ネットで見たアレ」に
展示しております。ぜひご高覧ください!



「レモンの果汁攻撃を華麗に避けるからあげ」

アニメ映画の「アラジン」がどうもしっくりこない。
『泥棒だけど清らかな心を持つ青年が』という大前提が
どういうことやねん!と思ってしまう。
ミュージカルなんでしょっぱなから歌いながら
展開していくんやが
アラジンがパンを盗んで逃げるわけです。
「(盗ったのは)パンひとつだぜ~♪」と。
いや いま盗ったのは1個でもそれを3食365日やっとるんやろが!
そもそも1個でもあかんぞ!

その間、追いかけてくる警察(?)が悪役のような扱い。
で、逃げ切ってサルや困っている子供にそのパンを分けてやると。
そんなことで窃盗の罪は浄化されへんぞ。
んで最後には王女と結婚。どないやねん。

なぜか30年以上も前の映画をグチってしまった。

今月の作品は「レモンの果汁攻撃を華麗に避けるからあげ」。
映画「マトリックス」の名シーンのオマージュですが、
この映画も25年前のもの。
このあたり以降のものは、ぜんぜん吸収できていません。



「蛇の目がお迎え」

今年は梅雨入りが遅くて今頃になって巻き返すかのように雨が続いてますね。
子供の頃は雨の日は水たまりにわざと足を突っ込んだり、長靴の中に水が入って
フガフガいうのが楽しかったりと少しテンション上がったものです。
大人(初老)になってからは靴が濡れたりカバンが濡れるのも嫌で、
なんなら傘も濡らしたくないくらい雨が苦手になっています。
そういえば子供の頃O Kで大人N Gなものって色々あって
「虫」「寒さ」「豚の脂身」「目が回る行為」なんかは今はダメです。
逆に今は「足の裏をくすぐる」「ピーマン」「歯医者」が大丈夫になりました。
これ、さらに歳をとって80歳過ぎた頃になるとまた逆転して
虫を素手で触って大量に捕まえたり、真冬に外に駆け出して
口を開けて雪を食べようとしたりするのでしょうか。
あそこのお爺さんヤバいよ!と近所でマークされそうです。

さて今月の駄美術は梅雨らしく「蛇の目がお迎え」。
「あめあめ、ふれふれ〜」でお馴染みの童謡「雨」の歌詞にある
「蛇の目でお迎え嬉しいな!」の部分を字面通り再現してみました。
いや、嬉しくないやろ、怖いやろ!



「リアル招き用貯金箱」

痛風。
風が吹いただけで痛いというアレ。
ついに発症しました。
20数年、健康診断のたびに尿酸値が高いと言われ
薬を飲んだり、食事に気を付けたりしてたけど
何の変化もなく過ごしてたら、ついに爆発!
ほんまに足の親指の付け根がめちゃくちゃ痛い!
なんで親指の付け根なんやろな?
土曜に発症して、布団が触れても痛いから
土日はほとんど寝られず、月曜にやっと病院に行けて
薬を処方してもらえました。
若い頃はなんとかしのげたようなことでも
歳のせいか無理が効かんようになってきたんかなー。
ちょっと本気で対策せなあかんわ。

今月の作品は「リアル招き用貯金箱」。
招き猫が持っている小判だけを立体化して貯金箱にしたもの。
猫の前に置けば招き猫になるというものやけど、
そうそう招きポーズまでは やってくれへんわ。
やっぱり作ってるものにも若さがないな。



「タラの芽ちゃん」

連休ですね。昔は嬉しくて何をしよう、朝は思いっきり寝ようとかワクワクしていましたが
今では仕事の事が気になったり、寝坊しようにもあちこち痛くて目が覚めたりで消化不良な
休日といった有様です。出かけても人混みは面倒だし無駄にお金を使うのも嫌なのでなるべく
家か近所でダラダラしようと思っています。昨日洗濯物を干しにベランダに出たら冬の間、
隅っこに張り付いていたカメムシが消えていました。冬眠していた様子で、駆除せずとも
そのうち餓死するだろうと放置していたのです。
匂いを発しなかったら色も綺麗なグリーンだし、大好きな昆虫のタガメの親戚でもあるので
敢えてそのままにしていました。可哀想に風で飛ばされたのかなとか思っていたのです。
それが何と、ベランダの別の場所に2匹になって現れました。
こっちに向かって歩く様子は昔見たウルトラセブンの宇宙人のように分身が増えたみたいで、
もう少しで踏みそうになって漫画のように尻餅をつく寸前までのけぞったのです。
去年の秋、関西ではカメムシが大量発生しニュースでも取り上げられたのですが、
今年も早くから大量発生しそうですね。カメムシ駆除スプレーでしっかりやらせて
いただきました。もう来んなカメムシ野郎!

さて今月の駄美術は「タラの芽ちゃん」。旬の味覚ですね。揚げて食べると最高です。
タラの芽ということで国民的番組のキャラクターと掛け合わせてみました。
作った時は何も気づかなかったのですが、今見ると鮮やかなカメムシグリーンですね。。。



「玄武か?お前は!」

鳥羽水族館へ行ってきました。
動物園・水族館・博物館は大好きなので
日本全国にある100か所くらいの水族館は
全部制覇したいと思ってるくらい。

鳥羽水族館は小学校の時に行ったきりやったんで
その変貌にも驚愕しました。
竜宮城のような景色が見られる巨大水槽、
スナドリネコやカワウソ、カブトガニにオウムガイ、
そして鳥羽水のスター・ラッコのメイちゃんキラちゃんと
見どころ満載です。

小学校の修学旅行で行ったときは、建物の外に池というか堀のような
水槽があって、そこに巨大なウミガメがぎっしりいて
食われそうと思ったのが強烈に記憶に残ってる。
で売店でオウムガイの殻を売ってたんやけど、修学旅行で
殻を買えるくらいのお小遣いを持ってなかったんで、
修学旅行から戻ってから、親にお願いして
もう一度、鳥羽水族館に連れていってもらった。
もちろんオウムガイの殻をゲット!
大事にしてたけどあのオウムガイどこ行ったかな。
今回の旅行も実はオウムガイの殻があったら買うつもりやったんやが
見つからんかった。残念!

さて今月の作品は「玄武か?お前は!」。
2021年の「猫展」のときのもの。
狭いところに入りたがる猫の習性を利用して、カメの甲羅状のオブジェを
制作。付き合いのいいオレオ氏にモデルになってもらいました。
撮影後はあまり入ってくれませんでしたが。



「結界シート」

今年の冬は例年より暖かかったなあ、と思っていたら3月でも雪が降ったり、
次の日は急に気温が上昇したりと気候は日々ドラマティックに変動してますね。
以前春夏秋冬の四季の違いが単純になってきて、もう二季でええんちゃう、
前季後季でもええんちゃうかと書いた気がするのですが、今は逆にめっちゃ
細かく変化してるからトータルで見たら百季でもええかも。ニュースの最初に
暦の上では◯◯ですがー、とか三日に一回言わなあかんし、俳句の季語も莫大な
量になるよね。昭和の名曲「四季の歌」も「百季の歌」になって紅白歌合戦の
半分は芹洋子のリサイタル状態や!大変やでしかし。。。って50代後半、
初老の男が眉間に皺寄せて書くことか、と反省。

さて今月の駄美術は「結界シート」。もうすぐお花見シーズン突入ですね。
コロナもひと段落した今、お花見の場所取り合戦も復活するかも。
そんな時にはなんとなく近づきたくない気にさせるこのシートは如何でしょうか。
場所取りの段階から距離を置いてもらえること間違いなし!



「ラジオ体操スタンプカードネックレス」

この歳になるとさすがに腹回りに肉がついてきたが
若い頃はぜんぜん太らんかった。
大学は2回生まで片道2時間の通学で通っていて、
1日5食 食べてた。
朝6時過ぎに起きて朝食、7時過ぎの地下鉄に乗って、
梅田で阪急に乗り換え、桂で降りたらバスで大学へ。
1講目が終わったら、学食でうどんかラーメン。
2講目終わったら普通にお昼ご飯。
午後の授業(制作)をやって夕方にまた食事。
9時15分の終バスで帰ったら家に着くのは11時で
またご飯。

そんな生活を2年も続けたけど、特に太らんかったなあ。
まあ30年くらい前の話やけど。
いまはインスタ開いてもやたら「浮き輪にくいを取る運動」とか
「肩甲骨はがしで痩せる身体に!」とかばっかりオススメしてくるわ。
見てまうからまたオススメしてくるんやろうけど。

今月の作品は「ラジオ体操スタンプカードネックレス」。
秋になってもスタンプカードを首からさげて歩いてる子どもがいて、
アクセサリーとしてぶらさげてるんかなと思ったのがきっかけ。
一見わからんくらいの小ささにしてアクセサリーにしてみました。

身体がなまってきたし、そろそろラジオ体操くらいせなあかんな。



「金の卵たち(たらこ)」

皆様、新年明けましておめでとうございます。
我々くらいの年齢になると新年を迎え過ぎて、たまには過去を引きずりたいなあ、
と思いながら紅白を見ながら一つ歳を取る新年を迎えるのです。
で、例年昭和を引きずった作品や展覧会を開催しているのですが、
昨年は「ギンギラギンにあてもなく」などと昭和のアイドルのヒット曲
のようなタイトルの個展をやりました。
というか年跨ぎで新年は1月9日から14日までパート2として開催します。
よろしければお運びくださいませ。旧作のセールもやっていて、まさに昭和の匂いプンプンの空間です。
昭和といえば僕らの頃は子供の数が多く、小学校でも1クラス45人いて6クラスだったりして
教室もぎゅうぎゅうと暑苦しかった記憶があります。今の子供は1クラス35人で4クラスだったりで、
なんともスッキリしていてエアコンもあったりとめちゃくちゃ羨ましい。
なんなら明日から会社行かずにランドセル背負って半ズボンで登校したい勢いです。
通報待った無しですが。
さて新年1発目の駄美術は「金の卵たち(たらこ)」。金色の魚卵です。見たままです。
僕らも昔は金の卵だとか言われて、子供は未来を担う宝物だ、みたいな歯の浮くような
ことを言われてきました。
そんな未来はご覧の通りダジャレ以下の作品を作る大人に成り果てた訳です。
卵といえば「たらこ」の卵って200万個もあるらしいですね。まさに金の卵たち!今年も宜しく!